「産後の体型が気になるけれど、いつから動いていいのか分からなくて」。お子さんを連れて相談にいらっしゃる方から、よく伺うお話です。産後ピラティスの記事は、たいてい「開始時期」を教えてくれます。でも私が最初にお伝えしているのは、時期よりも先に「『早く戻す』を、いったん手放しましょう」ということ。今日は、その理由と、安全に始めるための目安を一緒に整理します。
産後のからだは「戻す」ものではなく「作り直していく」もの
妊娠から出産にかけて、骨盤まわりやお腹の筋肉、姿勢は大きく変化します。ホルモンの影響で関節がゆるみやすい状態も、しばらく続きます。この変化を「早く元に戻す」対象と考えると、どうしても妊娠前の自分と今を比べ、焦りが生まれます。私は、産後のからだは戻すものではなく、今日から作り直していくものだと考えています。
看護師をしていた頃、自分のことをいつも後回しにして、限界まで無理をしてから相談にいらっしゃる方を、たくさん見てきました。産後はまさに、自分を後回しにしやすい時期です。だからこそ、最初に手放してほしいのが「早く戻さなきゃ」という気持ちなのです。
「いつから始めていいか」の目安
そのうえで、時期の目安もお伝えします。一般的には、産後2〜3か月頃から少しずつ、という目安がよく挙げられます。ただし、これはあくまで目安です。帝王切開だった方や、経過に不安がある方は、より慎重に、医師の許可を得てからにしましょう。
- 産後健診で、運動再開について医師の確認がとれている
- 悪露(おろ)が落ち着いている
- 強い痛みや出血、めまいなどがない
- 睡眠不足がひどくない日を選ぶ(無理をしない)

「戻す」から始めるか、「作り直す」から始めるか
同じ産後ケアでも、どちらを出発点にするかで、通う時間の心地よさがずいぶん変わります。言葉あそびのようですが、現場ではこの差がとても大きいと感じています。
| 「早く戻す」から始める | sou が勧める「作り直す」から始める | |
|---|---|---|
| 目標 | 妊娠前の体型・体重 | 今日できる動きを、ひとつ増やす |
| ペース | 早ければ早いほどよい | 回復に合わせて、休む日も予定に入れる |
| 比べる相手 | SNSや、妊娠前の自分 | 昨日の自分だけ |
| うまくいかない日 | できなかった、と落ち込む | 休むのも回復のうち、と考える |
産後にピラティスがなじみやすい理由
ピラティスは、呼吸から始められる運動です。息を吐きながらお腹の奥をやさしく働かせるので、ゆるんだ深い筋肉を、少しずつ思い出していきやすいと言われています。リフォーマーなら寝た姿勢からでも動けるため、抱っこで疲れた背中への負担も抑えやすいのが利点です。sou は定員3名までですので、その日の体調に合わせて、できる範囲を一緒に選べます。
よくいただくご質問
赤ちゃんを連れて行ってもいいですか?
その日のスタジオの状況によりますので、まずはLINEでご相談ください。sou は定員3名までの少人数ですので、できる範囲を一緒に考えます。
早く体型を戻したくて、焦ってしまいます。
そのお気持ちは、とても自然なものです。ただ、回復途中のからだに急な負荷をかけると、かえって遠回りになることがあります。急がないことが、結局はいちばんの近道だと、私は考えています。
抱っこで肩も背中もずっとつらかったのですが、無理のない範囲で少しずつ動くうちに、朝の重さが和らいできました。子どものことを気にかけてくださる雰囲気も、安心して通えている理由です。
おわりに
産後の再開に、決まった正解はありません。大切なのは、医師に確認しながら、妊娠前の自分ではなく、今日のからだを優先すること。「戻す」を手放したぶんだけ、通う時間は軽くなります。準備が整ったら、東山の静かな町家で、ゆっくりお待ちしています。
Author

新井 遥
sou pilates studio 主宰/ピラティスインストラクター
金沢・東山のマシンピラティススタジオ sou 主宰。元看護師。呼吸とともに深い筋肉へ意識を向け、その日のからだに正直に動く時間を、おひとりずつご案内しています。
読んでくださって、ありがとうございます。
からだのことは、どうぞ直接ご相談ください。


